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pinotannのブログ

消費の覚え書きと世間話です

「うちの子、ニートになるかも」と打ち明けた、ママの悩みと不安

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その言い方が、苦悩をにじませる小さな声だったのです。

そのママというのは、強気で、

常に正しいことをしてきたという、自負心がにじむような態度の人です。

そんな人が初めて見せるような、不安げな様子が心に残りました。

 

うちの子というのは、知人の次男のA君のことです。

都内の有名校を卒業してイベント会社に就職したものの、

一年あまりで退職した24歳の若者です。
やめてしまったイベント会社で、A君がしていたことといえば、
会場整理ばかりだったらしく、
あまり性に合わなかったようです。
もしかしたら本人はイベントの企画とかがしたかったのかもしれません。
 
母親は愛情深いしっかり者なので、子育ての手抜きをせずに愛情を注いでいました。
小さいころから次男のA君は、要領が悪い上に頑固で手 がかかっていたようです。
「お兄ちゃんとは違って、いろいろなことに時間がかかる子」
とママはよくいっていました。
一つ年上の兄へのコンプレックスと対抗心が、
常にA君を悩ませていたのかもしれません。
A君の兄というのは、気力体力ともに充実して上昇志向もあり、
一流大を卒業して、不動産会社でバリバリ働いています。
女の子にもモテるし、
資格を取るために、休日はカフェで勉強したりするようなタイプです。
 
ただ、ママはお兄ちゃんのようなタイプだけが良いと思っているわけではなく、
A君にはA君の良いところがあるといって育てています。
実際に、A君は母親の手伝いをそっとしてくれるような優しい息子のようです。
 
 仕事を辞めてしまったA君は、実家暮らしをしています。
やっと子育てが終わったとほっとしたのもつかの間、
次男が一日中家でゴロゴロしているのです。
狭い家なので、ママとしてはうっとおしいというのも本音です。
 
父親は、「やりたい ことがあるのならお金は出してやるから、将来設計を示せ」
と母親を通してA君に迫っているそうです。
父親とA君は、なぜが直接話をしないらしい。
それで、家の中が険悪になってしまうこともあるということでした。
父親外資系の会社に勤める、まあまあできるお父さんです。
 
ママの悩みは、
ニートになってしまった息子が何がしたいのかわからないことです。
今ならまだ第二新卒という枠があって就職もできるかもしれませんが、
長引くと社会に出るのが難しくなるのではという心配もあります。
 
A君はフランス映画が好きで、
映画関係のビジネスをやりたいという希望があるとのことですが、
それがどういうものなのか、両親にはよくわからないのです。
  
「したいことがあるならできるだけ応援してあげるのに、頑固で困る」
ということでした。
A君は小遣いも1円 単位で管理するような几帳面な子なので、
会計士とかなればいいというのですが、
A君はネットでいろんな情報を集めては、
「会計士はすでに飽和状態」などと言って、会計の学校へ行くことを拒否。
なんでもネットで検索して反論するそうです。
ネットの情報をうのみにするところなど、
考え方に柔軟性がないというか、もっと直接的な言い方をすれば、
地頭があまりよくないのでは、と思わせます。
 
 
両親はロンドンの大学院とか、いってくれたらなと思うらしいのですが、
名門校に映画ビジネスを学ぶところはないらしいです。
 
専門学校のようなところならあるでしょうが、
それならオーストラリアでもあるでしょうし、日本にもあるでしょう。
映画ビジネスがしたいのなら、
アルバイトでもいいから映画会社へ行けばいいのですが、それをしない。
「そうじゃなくて何か専門的な知識が必要」と思っているらしい。
専門性を身につけたら、映画ビジネスのトップとまではいわなくても、
偉い立場にすぐになれると予想しているのでしょうか。
もしかしたら、「自分は下積みで終わってしまうだろう」という予感があって、
踏み出せないのかもしれません。
 
親としては、「今更すごい学歴をつけて、立派な会社に再就職してほしい」などとは思っていないようです。
彼のプライドを傷つけないように大学院などと言っていますが、
A君が自分なりに自立してくれたら、それが一番良いと思っています。
 
問題はA君の心の中にありそうです。
兄へのコンプレックスと対抗心と書きましたが、
A君は自分自身の能力とプライドの折り合いがついていないのではないでしょうか。
「他人が目を見張るようなかっこいい自分でなければ存在価値がない」
と思い込んでいて、
今の自分はそうではないから、何もしないままでいる。
 
都内に実家があって食べることに困らないから、
よけいにその気持ちが強くなってしまう。
 
人はだれでも子供時代は万能感を持っていますが、
学校に通い、社会とか他人に触れるうちに、
自分の能力がどれくらいか、突き付 けられます。
たいていの人はそこで知恵を働かせて、自分自身と折り合いをつけていきます。
そのことがうまくできないタイプかもしれません。
 
とてもいい子なのに、ありのままの自分が受け入れられない。
 
わたしとしては、
子どもを大学まで出したらそれで親の義務は終わりと思っています。
家にいたいんだったら、いさせるよりほかありません。
「何者かになれ」という教育もありますが、
何ものにもなれない生き方もありです。
 
ただ、生活の手段は確保するべきでしょうね。