pinotannのブログ

消費の覚え書きと世間話です

人を支配したがる人に出会って思ったこと

     f:id:pinotantan:20161021183929j:plain

 

私が出会った、「人を支配したがる性質」の人のことを仮にAさんとします。

Aさんは読書会のような趣味の集まりにいました。

わたしは最初からAさんのことが好きになれなかったので、さりげなく距離を取っていました。なんでAさんが気に入らなかったかというと、夫の収入が高いこととか、自分の学歴とかを根拠に、自分をとてもすごい人間と思い込んでいるところとか、そのわりにAさんの話す内容にはそれほどキレがなく、あまり冴えた人ではないと、わたしは思っていたからです。

 

数人でランチを食べているときに、ある人が面白い話をしていました。企業に勤めていた経験を、自慢にならず、暴露にもならず、上手な話ぶりで、みんなが熱心に耳を傾けていた時です。Aさんがさも退屈そうに大あくびをしました。それだけではなくて、隣に座っている人に、「あなた顔色が悪いわよ。疲れたんじゃない?」と声をかけたのです。場は完全に白けてしまい、わたしはAさんのわがままな性格にあきれてしまいました。

読書会のグループには有名人の娘というセレブマダムがいました。Aさんはマダムにあこがれたのか、車で送り迎えしたりと親切にしていました。

わたしはその集まりでは若い方なので、下っ端と思ったのか、ある時Aさんが電話をかけてきて、「ほかの人のために資料を用意しておきなさい」とか「お休みしたマダムのためにノートを書いて送ってあげなさい」などと指示するのです。「だめよ。そのくらいのことしないと。わたしが言わなくてもそのくらいやっておきなさい」とかいわれました。

最初電話をもらったときはわたしも驚いて、いうとおりにしてしまったのですが、そういう電話が二度目にかかってきたときには、「Aさんがやってください。気が付いた人がやるようにしましょうよ」と言い返しました。そうしたらAさんはひるんだようすで、ちょっとどもりながら「簡単なことなのよ。すぐできることなのに」と食い下がるので、「簡単なんだから、今度はAさんの番ですよ。お願いします」ときっぱりいいました。それ以来、Aさんがわたしに裏で指示することはありませんでした。

 

わたしははっきりものをいう方なので、Aさんに支配されることはありませんでしたが、知らないうちにマダムが餌食になっていました。どうやら、マダムにあることないこと吹き込んで、マダムが仲が良かった人との関係を悪くさせたようです。マダムはAさんの、「陰であることないこと耳打ちする性格」に気が付いたので、Aさんとの関係を断とうとしました。そうすると、Aさんはマダムの悪口を言いふらしてマダムを会から孤立させようとしました。

 

20人くらいの大人の集まりだったので、Aさんの被害にあったマダムの誤解はとけました。それから、Aさんがおかしいのではないかという結論になり、Aさんは会にいられなくなりました。

 

Aさんはみんなの前ではおとなしいのですが、こっそりと人に嫌なことをいう性格でした。たぶんまたどこかで同じようなことをしていると思います。

 

そこでわたしが思ったのは、支配被支配の関係はどこにでもあるということです。人は自分のことをあれこれ言う人に、耳を傾ける傾向があるし、その言葉左右されやすいのです。

夫婦関係でも、妻がいつも夫に「あなたはだめだ」とか「あなたには能力がない」とか言い続けたら、夫は仕事をする気力をなくしそうです。親子関係でも同じです。こどもに「だめね」とか「またできなかった」とか言われたら、こどもは自分に自信を持てないでしょう。

否定的な言い方が、「相手によくなってもらいたい」、「もっと頑張ってほしい」という気持からでたものであったとしても、それなら、「こうしたらいいよ」とか「今度はもっとうまくいくはず」というように、言い方を前向きなものにしないと、相手には伝わらないと思うのです。

 

わたしは人の良いところを見つけてほめてあげたいと思っています。それは別にいい子になりたいわけではなくて、人と気持ちが通じ合うと楽しいということを知っているからです。人と信頼関係を築くと人間は気持ちが安定するし、幸福感が増します。わたしは、自分が好きだなと思う人と信頼しあって生きたいと思っています。

人の心は不安定にできているし、弱いものでもあります。ちょっとしたことで気分が落ちてしまいます。同時に、ちょっとした暖かい一言で楽しくなったりもできるのです。