pinotannのブログ

消費の覚え書きと世間話です

過去にばかりこだわる人は、自分の都合の良いように過去を作り変えていく。その理由を考えてみました。

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先日、学生時代の友だちと会いました。
お互いに50歳を過ぎてこどもも独立しています。
こどものこと、これからの自分たちのことなどあれこれ話しました。
その時に感じたことです。
 
友人はわたしと少し性格が違います。
からだが弱く、悲観的な考え方をしがちです。
将来を見通すよりは過去のことにこだわってしまいます。
その考え方をわたしはとても不思議に思って観察するのですが、
最近になって理解できました。
 
友人は自分の長女の受験のこととか就職のこととか、いつまでもくよくよします。
友人の長女は小さいころから頭がよく、
東大を受験したのですが、失敗して早稲田大を卒業しました。
長女が東大に入れなかったのは、友人の父親がアルコール依存になっていたからで、
そのせいで長女に十分な指導ができなかった、といいます。
でもそれは友人の考え違いです 。
アルコール依存の父親のことを必死で支えたのは母親で、
友人は両親のことを無視していました。
 
 
以前友人と会って話した時に、「ご両親はお元気?」と聞いたら、
「あまり知らない」といっていました。
当時から、こどものことに手いっぱいの様子だったので、
からだが弱い人だし、親のことにまで気にかけていられないのだろうなと思っていました。なので、最近になってそういうことを言い始めるのを「変だな」と思ったのです。
 
親の介護をしていなかったと思うのですが、
本人は迷惑をかけられたように言います。
心理的な負担があったのかもしれません。
 
今になって、長女の東大受験の失敗を父親のせいにするのはおかしいのです。
その辺の考え違いはただした方がいいかなと思うのです が、
友人のようなタイプの人間は、自分に自信がなく、
自分のすることに責任を持つのが怖いのです。
なので、過去を自分の都合の良いものに作り変えていくのです。
だからいつまでも過去の話を繰り返すのですね。
自分が満足できるストーリーが出来上がるまで、こだわり続けるのです。
 
 
早稲田を卒業した長女の仕事が小さい法律事務所の秘書というのが気に入りません。
近所に体裁が悪いらしいのです。
長女が役所とかメガバンクに入れなかったのは、
自分が長女の好きなようにさせてしまったから失敗した、
という風に考えます。
 
長女の結婚は失敗させないようにと懸命になります。
今度は友人は自信があるのです。
なぜなら、自分はお見合いを何度も重ねて、努力 しました。
そのかいあって、お金持ちの弁護士と結婚して幸せだからです。
 
しかし、友人はここでもまた問題にぶつかりました。
最近の若い人は結婚したがらないのです。
友人は結婚する気のない長女を脅したりすかしたりして、
やっと婚活するという言質を得ましたが、
最近の若い男のほうも結婚する気がありませんから、
成立しません。
 
若い男が無理なら、こんどは年の離れた男でもよいと言い出しましたが、
そもそも知り合う機会がありませんし、
今どきは40になってもお金持ちではないのです。
わたしたちはバブル世代なので高給取りの男がたくさんいましたが、
最近はいません。
お金持ちで もなく年を取っただけの男に用はないですよね。(笑)
女のほうも仕事をもって働いているので、
男に尽くしたがりません。
昔のように、条件の良い男を捕まえて幸せな結婚をする、
というビジネスモデルはなくなっているのです。
 
そうなると、
友人の長女が働いて自立できるのなら結婚は必要ない、
という結論に至ってしまいます。
そのことで友人はひどく苛立ちます。
長女が人もうらやむ人と結ばれて結婚することが、
今の友人の夢であり生きる希望にもなっているからです。
「結婚は必要ない」という結論では身も蓋もないので、わたしは、
長女が司法書士になって、同業者と結婚するとよいとアドバイスしました。
これから高齢化が進み、相続がたくさん発生するだろう。
司法書士は仕事がたくさんあるのではないか、ということです。
これは新 聞に書いてありました。
 
友人の長女は勉強が得意だしそれは同意して、行政書士の試験を受けたりしています。
専門学校にも行く予定らしいです。
そこでお相手を見つけるとよいかなとわたしは思いますし、
それは友人もその長女も同意しています。
 
こどもの将来のことはだいたい筋道が立ちました。
次は自分たちの将来の話になりました。
 
若い時は結婚してこどもを育てて、にぎやかに暮らしていても、
最後は一人になるという話をしました。
友人の夫はかなり年上なので、特にそういう風に思うようです。
そのことにも友人は気づいていて、それを認めるのが怖かったのです。
でも、わたしもまた一人になるというと、安心したようです。
お互い夫を亡くして一人になった時に、どうするかという話をしました。
 
こどもが独立することはとてもうれしいことではありますが、
母であるわたしたちは取り残されるような寂しさも感じます。
これからの人生に楽しいことなんてあまりないような気にもなります。
 
友人とは何でも話し合える関係の人です。
考え方が違うようでいて、らせんのように絡み合うところもあります。
気持ちがよくわかるのですよね。
 
これから人とのつながりが、ますます大切になるなと思いました。