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pinotannのブログ

消費の覚え書きと世間話です

「ねえ。〇さん、最近おかしくない?」という声掛けにつられてはいけない。それはゴシップ好きのネタ探しだから。

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こどもの学校の父母会とか、ボランティアとか、カルチャースクールとか、
人の集まるところに、人間関係のいざこざはつきものです。わたしは10年以上、ある読書会に通っています。講師の先生の人柄のおかげか、長年通い続ける人も多いし、何割かは新しい人に入れ替わりながら、25人くらいのグループで和気あいあいと続けています。
先日、新宿の居酒屋で忘年会をしました。そこに、このところ欠席がちだったAさんが来ていました。Aさんは50代後半の主婦で、わたしと同じく読書会を長く続けている仲間のひとりです。話が面白いし場を盛り上げるのがうまい反面、精神的に弱いというか不安定な時がある人です。郷里の母親の体調がおもわしくないということで、お休みが続いていたのです。そのAさんが隣に座ったので、「久しぶり。今日は出てこられてよかったね」とあいさつしました。
 
しばらくの間、わたしはほかの人たちをしゃべっていたのですが、ちょっとしたすきに、Aさんが話しかけてきました。
「ねえ。〇さん、最近おかしくない?」
わたしは心当たりがなかったので、
「なにかあったの?」
と質問で返しました。するとAさんは黙り込んで、
「このことは誰にもいわないで」
早口でそういいました。わたしは、
「だれにもいわないから安心して」
といってAさんの肩をそっと撫でたのですが、嫌な感じが残りました。Aさんはまたゴシップを探しているんだなあと思ったからです。
 
〇さんというのは、わたしたちと同じく長年この会に通っている女性です。60代で、優雅な暮らしぶりをしているお金持ちです。おっとりしていて天然ボケのようなことをいうことがあるので、そのことを指摘したかったのかもしれません。ただ、Aさんは〇さんの、経済的に豊かなくらしがうらやましくて仕方がないのです。それで、よくあら捜しをするのです。
 
 
人はだれでも、どこかしらおかしなところがあるものです。
個性だったり、まあ、ちょっと機嫌が悪かったとか、気分がすぐれなかったとか、
そういう事情で、普段と違う受け答えをしてしまうことって誰にでもあることでしょ?
それを特定の人に照準を当てて、ことさらおかしいという空気を作っていくのは、
わたしは好きではありません。というか大嫌いです。Aさんはこのところ休みが続いていたので、会の状況を探りたかったのかもしれませんが、以前にも同じようなことで騒ぎを起こしたのです。
 
 
Aさんは、「最近おかしくない?」といった親切とも悪口ともとれる危なっかしい言葉を好んで使います。
そして、言った相手の反応を注意深く見ています。
その相手の反応とか言葉を大げさに解釈して、
まわりの人に面白おか しく言いふらすのです。
なにもないところで、きゃあきゃあと空騒ぎするのが好きなのです。
 
傷つく人がでて、あとでなにか問題になっても、
Aさん自身がそれほど罪に問われないことも本人は承知の上です。
無意識的な確信犯というか、
Aさん自身が心の奥に抱えている不平不満を解消するために、
他人のありもしない不幸を噂話として作り出すのです。
 
こういう心の動きは多かれ少なかれ誰の心にもあります。
わたしにもあります。
ただ、そういう自分自身の心とどう向かい合うかで、
その人の生き方のスタイルが決まると思います。
多くの人は面白がってただ騒いでおしまいです。
ちょっとしたストレ ス解消ができて気持ちがいいでしょう。
噂の中心になってしまった人はショックをうけるし、傷つきます。
その時に犯人探しが始まります。
だれが何をいったのか。楽しんでいた人たちが記憶を手繰り寄せて、こんがらがった話を整理し始めます。
そこで、うまく立ち回れたら罪を逃れられます。
Aさんはここでも嬉々としてふるまいます。
悪者にされたくないという恐怖とスリルにおののきながら、
同時にそれを楽しんでいます。
電話とかかけまくって情報収集をするし、自己弁護も怠りません。
うまく立ち回れなかった人、
Aさんのストレス解消にまんまとのせられて噂をひろげてしまった人が、
悪者にされて、場を去ります。
そうやって会のメンバーが新陳代謝を繰り返してきた面もあります。
 
 
わたしが嫌だなあ、面倒だなあと思うのは、
そういうことが起きるとよく意見を求められて、
常に優等生役、まとめ役を演じないといけないからです。
なんでも自由にいえる場所を維持するためです。
そのために良い解釈と正しい言葉を言わないといけない。
 
そういうのってちっとも面白くないけど、安心感はあります。
わたしは一瞬のスリルとおののきよりも、もっと長く続く安定を選ぶのです。
それがわたしのスタイルなのかもしれません。
 
人の心は複雑なもので、わたしはAさんのことを嫌いになれないのです。
彼女の精神の不安定なところ、いつも何かを追い求めているような純なところ、
気が小さくてまじめすぎるところなど、魅かれてしまうのですね。
ただ、わたしはAさんの人柄がだいたいわかっているから扱えますが、
新しい方たちがAさんのいつもの軽薄なゴシップにのせられてしまうと、
せっかく良い雰囲気になり始めている会を壊してしまうかもしれないと思うと、
腹が立つのです。
 
いつまで同じことを繰り返すのかと言いたくなるのです。

「〇さんは最近おかしい」「×さんはこのところぼけてきた」
そのくらい普通に言い合っていいのかもしれ ません。
わたしのようにいい子の感情を押し付けすぎるのもまた息苦しいものです。
風通しのよい仲間でいることが一番大事なのかなと思ったりします。